新ブランドの記者会見を開いた稲垣貴彦社長兼CEO(6日、東京都千代田区)

若鶴酒造(富山県砺波市)は6日、ブレンデッドウイスキーの新ブランド「SAB.」(サブ)を立ち上げたと発表した。価格帯が異なる3品種をそろえ、一部は12日に発売する。国産ウイスキーの人気が国内外で高まっているなか、海外での販売にも力を入れ、輸出比率を現在の2割程度から2030年に5割にする。

同社は三郎丸蒸留所(同)でウイスキーを製造している。ピート(泥炭)でいぶした麦芽を使うのが特徴。同社で作った複数の原酒のほか、一部は海外から輸入したスコッチをブレンドした。

「サンセット レッド」「ナイト ブラック」「オーシャンブルー」の3種類をそろえた。レッドとブラックの販売を12日に始め、25年夏には数量限定でブルーを発売する。希望小売価格は700ミリリットルでそれぞれ3498円、5390円、9900円とした。

稲垣貴彦社長兼最高経営責任者(CEO)は6日の記者会見で「レッドはウイスキー入門者をターゲットにしている。はまれば次の段階にブラックやブルーを味わってもらえるような、発展的に楽しめるようなブランドにしたい」と意気込みを語った。

若鶴酒造では1952年に稲垣社長の曽祖父にあたる稲垣小太郎氏がウイスキーの製造を始めた。23年10月期の売上高は約15億円で、そのうち8割弱がウイスキーだ。台湾や中国、米国などに輸出している。

同日、ウイスキーの熟成に使うたるの修理や再生を担う新事業を立ち上げたことも明らかにした。蒸留所の増加に伴うたるの価格高騰や品不足に対応する。

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