商船三井傘下の商船三井クルーズ(東京・港)は7日、新型クルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」の就航式典を都内で開いた。プールやバーも備えた豪華客船で、若年層の需要も取り込む。市況変動の影響を受けやすい海運事業に次ぐ収益源に育てる。
新型船は総トン数が3万2477トン、客室は229室あり定員458人の中型客船になる。4つのレストランがあり、プールのほかバーやスパなども備える。
商船三井クルーズが運航するクルーズ船では「にっぽん丸」に続く2隻目。米企業から購入し、9月下旬から横浜港での改修工事を経て1日に就航した。
世界でクルーズ船の人気が高まっている。国際業界団体のクルーズ・ライン・インターナショナル・アソシエーションによると2023年の旅客数は3170万人と新型コロナウイルス禍前の19年(2970万人)を上回り、27年には25%増の3970万人になると予想する。若年層の利用も増えていて、利用者全体の36%は40歳以下だ。
海運業界は市況の変化で業績が左右されやすい。商船三井は安定した収益が見込めるクルーズ船を注力事業の一つに位置づける。約1000億円を投じて新型のクルーズ船2隻を建造し、27年に1隻目が完成する予定だ。
日本郵船も新型のクルーズ船「飛鳥Ⅲ」を25年に完成させる。東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)も28年度に参入することでさらなる市場の拡大が期待されている。
商船三井クルーズの向井恒道社長は「海外勢の新規参入も話題となるが、クルーズ船が身近となり業界が活性化して利用者も増える。これは好機だ」と語った。
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