桜美林大(東京都町田市)で講義を受け持つ非常勤講師3人が9日、賃金のベースアップ(ベア)が実現しなかったとして授業の一部を中断してストライキを実施した。ストを支援する教育ユニオンによると、ベアを求めた大学でのストは異例という。
ストに踏み切ったのは、教育ユニオン「桜美林分会」に所属する非常勤講師ら3人。桜美林分会によると、2006年以降、非常勤講師のベアは実施されていない。19年度から授業が90分から100分に延びたものの、延長分の賃金が支払われたのは19年度のみで、現在は事実上賃下げの状態が続いているという。非常勤講師らは15%のベアを求めたが、大学側から満足のいく回答が得られなかったため、ストを決行した。
非常勤講師の3人はそれぞれ授業の残り15分間を中断。桜美林大の敷地付近で「ストライキ決行中」と書かれた横断幕などを掲げた。桜美林分会代表の槌田和美さんは「大学の23年度の経常収支差額は4億円の黒字だ。労働者に分配せず『学生の授業料を上げなければいけなくなる』『経営がうまくいっていない』などと理由をつけて賃金を上げないのは不当だ」と訴えた。【堀菜菜子】
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