東海第2原発で溶接作業中に火災が発生し作業員1人がやけどを負った現場=日本原子力発電提供

日本原子力発電(原電)は10日、東海第2原子力発電所(茨城県東海村)で安全対策工事の溶接作業中の火災で50代の男性作業員1人がやけどをしたと発表した。火災は9日午後に東海第2の海側の取水口で発生し、男性は救急搬送された。原電によると作業員の被曝(ひばく)や周辺への放射性物質の放出はないという。

火災は9日午後1時17分ごろ、作業員が取水口に設置されたクレーンを撤去するため補強用の鉄筋を溶接していた際に起きた。すぐに消し止められたが、やけどは左胸から上腕部にかけて全身6%程度におよび入院中という。

東海第2では2023年度に原子炉建屋内の天井照明の一部に焦げ跡が見つかるなど5件の火災が発生。24年5月に再発防止策をまとめた。9月と10月には作業員の転倒による負傷事故があり注意喚起の表示を増やすなど対策を講じた。

原電は作業員が耐火服や革手袋といった保護具を適切に着用していたとみており、クレーン解体作業を中断して出火原因などを詳しく調べる。工事再開時期は未定。三好勝正東海・東海第二発電所副所長は「まずは安全最優先で、調査結果を見てから」と話した。

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