半導体の国際展示会「セミコン・ジャパン」が11日、東京ビッグサイト(東京・江東)で開幕した。最先端半導体の量産を目指すラピダスの東哲郎会長は講演で、2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体の試作について「2025年3月末には装置は全てそろう」と自信を示した。
オープニングセッションで事業の進捗を問われて発言した。25年4月に稼働する工場について「今月中にEUV(極端紫外線)露光装置の工場への搬入が始まる。他にも二百数十台の装置が搬入される」と話した。EUV露光装置は1台300億円程度で、最先端半導体の量産に欠かせない。
東氏は「(25年4月から)パイロットラインを動かし、実際に2ナノ半導体をつくる。顧客が試験し、使い物になるのかどうかという本番の時期がくる」と語った。すでにラピダスは顧客獲得に向け40社前後と協議を進めていることを明らかにしている。
ライン稼働に向けてIBMの米拠点に約150人の技術者を派遣している。試作に向けて既に帰国している技術者もおり、3分の1程度を日本と行き来させているという。
ラピダスは27年までに5兆円が必要と試算し、経済産業省から累計約9200億円の補助を受けることが決まっている。東氏は「早く国から自立し、社員の給料を(世界的にも)十分満足できる水準に高める。それが可能な利益を出す」と語った。
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