▼統一要求 春季労使交渉(春闘)で労働組合側が労組の枠を超えて結束して掲げる要求。労組が交渉を有利に進める狙いがある。春季労使交渉では労使が賃金上昇など労働条件の改善について話し合う。産業別組織(産別)が連携することで交渉力を高め、関連業界全体での賃上げにつなげる。産別の要求水準は中小企業などのベンチマークになり、産業全体の賃金相場を左右する。

2025年春の労使交渉では、自動車や電機など主要製造業の労働組合でつくる金属労協が基本給を底上げするベースアップ(ベア)で月額1万2000円以上の要求を決めた。ベア率は約4%に相当し、連合が掲げるベア3%以上の賃上げ目標を上回る水準だ。金属労協は約200万人の組合員を抱える。金属労協の統一要求は、春闘への影響力が大きい。

ただ、同じ業種であっても企業の業績は各社で異なるため、統一要求が実態にそぐわなくなってきているとの指摘も出ている。金属労協傘下の自動車総連が19年からベアの統一要求を見送るなど、産別ごとに足並みが乱れつつある。

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