ファイントゥデイ(東京・港)が、カラーコンタクトレンズでも男性客の開拓に乗り出した

男性向けコスメブランド「ウーノ」を手がけるファイントゥデイ(東京・港)が、カラーコンタクトレンズでも男性客の開拓に乗り出した。ビジネスシーンで好印象を与えるには目の印象アップがカギだと訴える。落ち着きのあるカラーをそろえ、瞳を明るく見せる工夫も施した。メンズコスメ市場で新たなトレンドに育てたい考えだ。

「ウーノ アイスーツ」を11月1日から発売した。1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズで、1箱10枚入り。「ドン・キホーテ」などで1800〜2000円(オープン価格)で販売しており、購入時にレンズの度数確認などを求められる。

ビジネスのシーンに合わせて3種類のカラーから選べる

「ジェントル」「スマート」「アクティブ」の全3種。相手に与えたい印象によって使い分ける。例えば「スマート」はパープル調で「冷静沈着で知的な印象」をイメージした。取引先から信頼を得たい商談日などに使うことを想定している。

瞳、大きさより明るさ重視

瞳の明るさにも着目した。女性向けのカラーコンタクトレンズでは瞳を大きくしてかわいさを演出するのが主流だが、アイスーツでは瞳の明るさ向上を重視した。

男性は女性に比べて瞳が暗く見えがちといい、レンズの中に透明の部分をいくつも施すことで光を取り込みやすくした。瞳の明るさは「清潔感」につながるという。パソコンやスマートフォンなどによるブルーライトから目を守るバリア機能も備え、ビジネスパーソンの目の疲れも軽減する。

ファイントゥデイが20〜40代の男女約3600人を対象した調査では、「ビジネスシーンで第一印象を決める最も重要な顔のパーツは?」との問いに、最多のほぼ半数が「目」と答えたという。「髪型」(38.7%)や「髭」(24.8%)より多かった。それにもかかわらず、回答者のうち、「何らかのアイケアをしている」人はわずか約2%だった。

ブランド統括事業本部長を務める川畑麻美氏

国内カラコン市場は成長

ファイントゥデイのブランド統括本部長の川畑麻美氏は「目元の印象が大事と分かっていても『何をしていいかわからない』や『ビジネスでメイクまでするのは抵抗がある』と悩む男性が多い。そんな人にぜひ試してほしい」と話す。

国内のカラーコンタクト市場は成長している。英調査会社ユーロモニターによると24年の市場規模は1000億円を超え、20年比で4割増えた。ただ、ファイントゥデイによると国内市場は女性向けが大半。男性向けも着実に伸びてはいるものの全体の数%にとどまるという。カラーコンタクトは女性のものという意識がまだ根強い。男性向けのカラーコンタクトレンズの販売自体、国内では珍しい。

ファイントゥデイはヘアケアブランド「ツバキ」や「ウーノ」などを手がける資生堂の日用品事業が分離して設立した。1992年に誕生したウーノはヘアスタイリング剤で男性の高い支持を集め、2016年にメンズスキンケア市場に参入。化粧水や乳液、美容液などを1つにまとめた「クリームパーフェクション」が国内の男性用クリーム市場で売上1位を獲得し、19年に出したメンズメイク商品「フェイスカラークリエイター」も毛穴を目立たなくする点が40代以上の男性に人気だ。男性向けのコスメ市場を開拓してきたウーノ。その経験やノウハウを生かし、アイスーツでも新たなトレンドの創出を目指す。

(西山良太)

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