【パリ時事】経済協力開発機構(OECD)は3日、パリの本部で2日目の閣僚理事会を開き、成長著しい東南アジア諸国との連携強化や、プラスとマイナスの両面がある人工知能(AI)の有効利用を巡る議論を総括した声明を採択、閉幕した。加盟60周年の日本が議長国を務めた。生成AIの国際的なルール作りの枠組み「広島AIプロセス」の成果を踏まえ、OECDが2019年に策定した「AI原則」も改定した。
閣僚声明は、インド太平洋地域の「戦略的優位性」を強調し、インドネシアのOECD加盟審査が始まったことを「歴史的」と評価。タイの加盟申請についても歓迎した。
OECDと東南アジアの連携は日本の主導で14年に始まった。上川陽子外相は記者会見で、これを未加盟国との協力のモデルとして「世界の他の地域にも拡大していくべきだ」と訴えた。
AI原則の改定は生成AIの出現に伴う新たなリスクへの対応が主眼。広島プロセスの「国際行動規範」に盛り込まれた知的財産権やプライバシーの保護といった方針を取り入れたほか、「AIにより増幅される誤情報や偽情報」の問題解決に努める必要性を明記した。
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