プリファードは資金調達でAIや半導体の開発を進める

人工知能(AI)開発のスタートアップ、プリファード・ネットワークス(東京・千代田)は23日、SBIグループや三菱商事などから総額190億円を調達したと発表した。2019年以来の大型調達で、AIの基盤となる大規模言語モデルやAI半導体の開発などに投資する。三菱商事などとはAIクラウドサービスを提供する共同出資会社を2025年に設立する。

プリファードは8月にSBIホールディングスと資本業務提携し、100億円程度の出資受け入れを発表済み。このほか、新たに三菱商事、ワコム、積水ハウス、日本政策投資銀行の合計4社を引受先とする第三者割当増資を実施したほか、三井住友銀行や三菱UFJ銀行などからの借り入れで総額90億円を調達した。19年にJXTGホールディングス(現ENEOSホールディングス)から10億円を調達して以来の大型調達となる。

調達した資金は大規模言語モデルやAI半導体の開発、エンジニアの採用などに充てる。出資先の三菱商事のほか、インターネットイニシアティブ(IIJ)とはクラウドサービスを手掛ける共同出資会社を25年1月に設立する。プリファードが開発したスーパーコンピューターを外部に提供し、顧客がAIを自社で早期に開発できるようにする。

プリファードは国内トップクラスのユニコーン(推計企業価値が10億ドル=約1600億円=以上の未上場企業)だ。従来はものづくりや研究開発にAIを実装するシナジー(相乗効果)を追求する戦略から、製造業など事業会社から出資を受けてきた。新たにSBIや政投銀など金融機関からも出資を受け入れ、調達手段の多様化を図る。

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