自家用車によるライドシェア。車両前面には表示灯が設置してある=横浜市西区で2024年4月11日、遠藤和行撮影

 タクシー不足を解消するため、一般ドライバーが自家用車に有料で客を乗せる「日本版ライドシェア」が12日午前0時から始まった。横浜市などでは、許可を受けたタクシー会社3社のうち、2社が運行を開始。雇用された一般ドライバーが夜の繁華街へ出発した。【遠藤和行】

 思い描いていた状態を100%とすれば、初日は40%。もう少しお客さんを乗せたかった――。

 県内の「日本版ライドシェア」初日となった12日午前6時、約6時間の運行を終えた一般ドライバーの男性(32)=平塚市在住=は物足りなさそうな表情を浮かべた。

 男性は、月~金曜は建設関係の個人事業主として働く。ライドシェアは副業だ。「人のために役に立って、タクシー不足を解決できればいい」と、三和交通に応募。研修を経てアルバイト契約を結んだ。

 出発前には「事故なく目的地に送りたい」と緊張した面持ちで語り、白いワンボックス車で横浜駅近くの営業所を後にした。

 男性によると、出発の5分後、さっそく予約が入ったが、現地に客の姿はなかった。営業所に相談し、約10分待った後に予約をキャンセルした。

「お客様第一で接したい」と語る一般ドライバーの男性=横浜市西区で2024年4月11日、遠藤和行撮影

 その後、横浜駅近くにいたものの2時間半にわたり、予約は入らなかった。目の前ではしばしば、手を挙げてタクシーを止め、乗り込んでいく客も。「アプリ予約のライドシェアは不利なのかな」ともどかしさを感じたという。

 ようやく川崎駅方面への予約が入り、若い女性2人が乗車した。見送る男性の「最近、うわさのライドシェアだ」との声が聞こえ、女性が珍しそうに車内の写真を撮っていたことが新鮮だった。

 初日の運転を終えた男性は「初のお客さんで緊張しましたが、送り届けた際にはホッとしました」と振り返った。ただ、初日の客は1組のみ。「もう少し多かったら良かったですが、認知されれば予約は増えるでしょう」【遠藤和行】

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