富士フイルムはヘルスケア事業の伸びが成長をけん引する

富士フイルムホールディングスは9日、2025年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比8%増の3000億円になる見通しだと発表した。4年連続で過去最高を更新する。バイオ医薬品の製造受託や医療機器などのヘルスケア事業が好調に推移する。

純利益は1%減の2400億円の見通しだ。前期に計上した投資有価証券の評価益がなくなる。配当は年60円とする。同社は4月に1株を3株に分割している。前期の配当(記念配10円を含む150円)と株式分割を考慮して比べると実質増配になる。

売上高は5%増の3兆1000億円。事業別では半導体の製造工程で使われる材料などを手掛けるエレクトロニクス事業が市況回復を追い風に14%増える。オフィス向け複合機などのビジネスイノベーション事業なども含めて全事業で増収を確保する。

利益段階ではヘルスケアの成長がけん引する。同事業の営業利益は15%増の1120億円と金額ベースで主力4事業の内で最大となる。製薬会社からバイオ医薬品の開発や製造を受託するCDMO事業では大手製薬の需要が好調だ。

同日発表した24年3月期の連結決算は売上高が前の期比4%増の2兆9609億円、純利益が11%増の2435億円だった。内視鏡などの医療機器やインスタントカメラ「チェキ」の販売拡大などが寄与した。投資有価証券の評価益も利益を押し上げた。

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