ケーズホールディングス(HD)が9日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比65%減の73億円だった。収益性の低い店舗を中心に減損処理を実施し、82億円の特別損失を計上した。暖冬の影響で暖房機器の販売が苦戦するなど、家電販売が振るわなかった。
売上高は3%減の7183億円だった。美容家電や調理家電は高単価商品中心に好調だったが、パソコンやテレビ、冷蔵庫などの販売が前の期を下回った。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要の反動が長引いているほか「電気代高騰や物価高で消費者の生活防衛意識が高まった」(ケーズHD)。
25年3月期の連結業績は、売上高が前期比2%増の7350億円、純利益が63%増の120億円を見込む。パソコンの需要が戻るほか、猛暑でエアコン販売が堅調に推移すると想定する。
併せて27年3月期に売上高7700億円、純利益200億円の水準を目指す中期経営計画を発表した。年間30店舗を改装していくほか、3年間の累計で30の新店を出す。
総還元性向を80%、配当性向を40%とする目標を掲げた。中計期間中は配当額について前期の44円を下限とする。200億円を上限とする自社株買いも実施する。発行済み株式総数(自己株式を除く)の10.28%を上限に、5月10日から買い付ける。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っていることを踏まえ、株主還元を強化する。
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