9日、滑走路脇の草むらに突っ込んだボーイング製の小型機(セネガル首都ダカールの空港)=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】アフリカ西部の航空会社トランスエアが運航する米ボーイング製の旧型小型機「737-300」が9日、セネガル首都ダカールの空港で事故を起こし、少なくとも10人が負傷したことが分かった。当局が事故原因を調べている。AP通信などが報じた。

離陸する際に機体が滑走路から外れ、火災が発生したという。事故原因は調査中だが、油圧系統に不備があったとの報道もある。乗員・乗客は85人で隣国マリに向かう予定だった。

「737-300」は旧式の小型機で、直近に相次ぎ事故を起こしてきた最新小型機「737MAX」とは異なる。ボーイングは1980年代に737-300の運航を開始し、1999年には納入を終えた。大半は退役したが、一部は新興国を中心に運航を続けている。事故機は約30年前に納入されたとの報道がある。

ボーイング製の飛行機を巡っては、同じ9日、トルコ南部のガジパシャ空港でも小型機「737-800」の事故が発生した。地元航空会社コレンドン・エアラインズ運航の機体のタイヤが着陸の際に破裂し、乗員・乗客190人が避難した。

737-800も旧型機で、1990年代に生産を開始し旅客用は19年に納入を終了した。軍用は製造を続けている。

ボーイングは17年に商用化した737MAXが18〜19年に2度の墜落事故を起こした。24年1月に飛行中に胴体に穴が開く事故が発生し、製造品質問題に揺れている。今回の一連の事故は、原因の調査結果次第で問題をさらに深刻なものとする可能性がある。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。