海外で「MARUCHAN」シリーズなど即席麺の販売が好調だ(写真は米国で販売する即席麺)

東洋水産が10日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比68%増の556億円となり、過去最高を更新した。海外で「MARUCHAN」シリーズなど即席麺の販売が好調で、為替の円安傾向も利益を押し上げた。好調な業績を受けて期末配当を増配し、年間配当は前の期比70円増の170円とする。

売上高は12%増の4890億円、営業利益は65%増の666億円といずれも過去最高を更新した。けん引役の海外即席麺は、事業別売上高が24%増の2212億円、同営業利益が77%増の463億円だった。米国やメキシコで節約志向の消費者の受け皿として袋麺などが伸びたことに加え、値上げも浸透した。円安による為替影響も54億円の増益要因となった。

国内も即席麺事業の売上高が3%増、営業利益が45%増と伸びた。23年6月に実施した値上げの影響で販売数量が減ったものの、カップ麺「ごつ盛り」や23年に発売45周年を迎えた「赤いきつねうどん」が好調だった。

同日発表した25年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比4%増の5100億円、純利益が6%増の590億円を見込む。米国の高価格帯商品の拡充などで海外即席麺事業は6%の増収となる。売上高は同社初の5000億円突破をめざす。

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