富岳はAI開発のインフラとしても注目を集めている

世界のスーパーコンピューターの計算速度を競う最新のランキングで、米国の「フロンティア」が5期連続で首位となった。上位1〜3位は米国勢が独占した。理化学研究所と富士通が開発した「富岳(ふがく)」は前回と同じ4位だった。

専門家の国際会議が米国時間13日、半年ごとに集計するランキングの最新版を公表した。スパコンは先端技術研究におけるインフラの役割を担い、国の科学技術力を示す象徴として注目されている。

米オークリッジ国立研究所が運営する「フロンティア」は1秒間に120京回(京は1兆の1万倍)の計算性能を示した。2位の米アルゴンヌ国立研究所の「オーロラ」はまだ試運転中ながら同101京回の計算性能を示した。3位は米マイクロソフトの「イーグル」(同56京回)、日本の富岳は同44京回で4位だった。

スパコンは近年、人工知能(AI)の開発インフラとして重要性が増している。米国は50億ドル(約7800億円)以上を投じて毎秒100京回以上の計算が可能な「エクサ級」スパコンの開発を進めてきた。24年には米ローレンス・リバモア国立研究所の「エル・キャピタン」なども稼働する予定だ。

最新のランキングで上位10位の顔ぶれから外れた中国も多額を投じてスパコンを開発している。研究機関や企業によっては性能に関するデータを公開しないケースもあり、ランキングは各国の競争力を正確に反映していないとの指摘もある。

【関連記事】

  • ・スパコン富岳で「純国産」の生成AI 東工大や富士通
  • ・東工大の新型スパコン稼働、性能国内2位 生成AIに強み

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。