豊田自動織機は株主還元の強化を打ち出す

豊田自動織機は14日、2027年3月期までの3年間で株主還元を合計約7000億円とする方針を明らかにした。配当や自社株買いを増やし、株主還元の総額は24年3月期までの3年間と比べると4倍超になる。自己資本利益率(ROE)の向上も目標に掲げ、自己資本の圧縮と収益力の強化を進めて企業価値の向上をめざす。

27年3月期までの3カ年で、営業キャッシュフローで1.2兆円、政策保有株の圧縮などで1兆円の合計2.2兆円程度の資金の創出を目指す。

創出した資金の活用では株主還元として配当と自社株買いに約7000億円を投じるほか、物流関連での次世代技術の開発やデジタル化などの成長投資に約8000億円、従来の生産設備への投資などの基盤投資に約7000億円投じる。

政策保有株は、保有の合理性が認められる場合を除き保有しない方針を示した。稼ぐ力の強化も進め、27年3月期〜28年3月期ごろの連結営業利益は3000億円以上と24年3月期比で5割増やすほか、M&A(合併・買収)の活用でさらなる上積みを目指す。ROEは同期間で6%を目指し、中長期では8%を目指すとした。24年3月期のROEは4.6%だった。

豊田織機は10日、今後1年間で1800億円を上限とする自社株買いを実施する方針を発表していた。同社としては8年ぶりの自社株買いとなる。同日には6月に開く定時株主総会の議案として、仏ファンドのロンシャン・SICAVから自社株買いなどに関する計3件の株主提案を受けたとも公表していた。

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