日本郵船などが開発する木質ペレットで発電する船の完成イメージ

日本郵船は14日、木質ペレットを原料として発電する世界初の船舶を開発すると発表した。4社が共同開発で合意し、2029年末までの建造を目指す。重油の代替燃料の導入が難しかった小型タンカーで取り扱えるようにし、海運業界の脱炭素化につなげる。

日本郵船と同社子会社のNYKバルク・プロジェクト、英バイオマス企業のディーラックス・グループ、常石造船の4社が13日に共同開発で基本合意した。

バイオマス発電などに使われる木質ペレットを積み荷とし、そのペレットの一部を燃料として使う。木質ペレットを高温で不完全燃焼させ、発生した一酸化炭素や水素、メタンなどの可燃性ガスで発電機を動かす。その電気を船の推進力とする。木質ペレットを直接燃やすよりも効率良く発電できるという。

海運業界では重油に代わり、アンモニアなどを燃料にしたエコシップの開発が進んでいる。ただ積載量が2万トン〜4万5000トンの小型のばら積み船は、燃料タンクの大きさの制限から燃料転換が難しかった。

そこで積み荷の木質ペレットを燃料とすることに着目した。既存の燃料である重油に比べ、燃料の生産から輸送、船上での使用に至る一連の過程での温暖化ガス排出量を22%減らすことを目指す。

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