楽天グループが14日発表した2024年1~3月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が423億円の赤字(前年同期は825億円の赤字)だった。1~3月期の赤字は5年連続。傘下の楽天モバイル(東京)が20年に本格参入した携帯電話事業で基地局整備の負担が重く、苦戦が続いた。ただ、契約者数は順調に伸びているという。
事業別に見ると、携帯電話事業の調整後営業損益は719億円の赤字だった。前年同期(1026億円の赤字)と比べると300億円余り改善した。家族割引や学生割引を相次いで導入し、回線契約数を伸ばした効果が表れた。
13日現在の回線契約数は680万件。記者会見した楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、楽天モバイルの単月黒字化に必要な800万件に向けて順調に推移していると強調。グループへの貢献度などを考慮した実質ベースでは「黒字化が目前」と語った。
楽天モバイルは4月末、屋内にも届きやすい「プラチナバンド」の電波を使った基地局の試験運用を始めた。三木谷氏は、現時点で問題は生じていないとして「6月から商用開始になる」と述べた。
不安が高まっていた社債の借り換えでは、今年満期分に続いて来年満期分についても、新たな社債の発行によりリスクがおおむね解消したとしている。
オンラインの記者会見で2024年1~3月期決算の内容を説明する楽天グループの三木谷浩史会長兼社長=14日午後
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