エーザイは15日、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、米国で皮下注射製剤の承認に向けて手続きを始めたと発表した。皮下注製剤が実用化されれば自宅などでレカネマブを投与でき、患者や介助者の負担軽減につながると期待される。
米食品医薬品局(FDA)から優先的に審査を受けられる「ファストトラック」の指定を受けた。通常の承認審査手続きよりも早く終わる可能性がある。
レカネマブは静脈注射が米国と日本で承認され、実用化されている。レカネマブを静脈注射で投与して症状の進行を遅らせる効果が出た後、継続して治療する「維持投与」のために皮下注射製剤を開発した。
レカネマブは投与を中止すると、アルツハイマー病の原因物質とされるたんぱく質「アミロイドβ(Aβ)」の蓄積が始まることが確認されており、エーザイは継続した投与が必要だとしている。
皮下注射は薬剤をペン型の注入器で患者の皮下組織に入れる。静脈注射は1回の投与に1時間程度かけて点滴で投与していたのに対し、皮下注射は1分以下で済む。糖尿病のインスリンのように注射できるようになれば、患者の負担は下がる。
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