ダイキン工業の次期社長に内定した竹中直文氏=大阪市北区で2024年5月9日午後4時53分、橋本陵汰撮影

 ダイキン工業の社長に内定した竹中直文専務執行役員(60)は、10月に創業100年を迎える空調専業メーカーのかじ取りを担う。「新たな価値を創出・提供することで社会の持続的な発展に貢献し、世界中から頼りにされる企業を目指したい」と抱負を語る。

 「自分の力で新しいものを生み出したい」との思いを抱き、1986年に技術者として入社。23年間の工場勤務を経て、空調営業本部事業戦略室長として国内営業に移った2009年は、ちょうどリーマン・ショックの直後。売り上げは散々な状況だった。

 会社として価格面の競争だけではなく、製品の価値をしっかり提案して、収益力を回復。その過程で約4000人の営業担当者と関わり、一人一人を動かす難しさを学んだ。その後は人事なども担当し、業務は変わっても「現場に対する思いを大切にする力は人一倍」と自負している。

 社長に就任する6月下旬には、ダイキンの経営を長年率いてきた井上礼之(のりゆき)会長(89)が一線を退き、名誉会長に就任する予定だ。「(井上氏は)しっかり見てくれていて、いろいろな経験をさせていただいた」と感謝の思いを述べる。人を基軸とする企業文化を引き継ぎ、「社員の一人一人が誇りとやりがいを持って挑戦・成長できる会社を目指す」。

 大阪市出身。趣味はミュージカル鑑賞と野球観戦。【橋本陵汰】

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