パレスチナ自治区ガザ最南部ラファ付近では避難民が急増している=ロイター

【カイロ=時事】イスラエルのガラント国防相は、イスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ最南部ラファに地上部隊を追加投入する方針を示した。AFP通信が16日報じた。

イスラエル軍は15日、ラファやガザ北部ジャバリヤで戦闘が発生し、武装勢力の戦闘員を殺害したと発表した。軍用機が、武器庫など約80カ所の標的を破壊したという。一方、軍は16日、ジャバリヤで兵士5人が死亡したと公表。誤射の可能性が報じられている。

米中央軍は16日、ガザの海岸に浮桟橋を固定した。数日内に海上からの支援物資搬入が始まるという。

ハマス最高指導者ハニヤ氏は、1948年のイスラエル建国に際し、70万人以上のパレスチナ人が故郷を追われたことを嘆く「ナクバ(大惨事)」の日の15日に合わせ演説した。戦闘終結後のガザ統治に関し、「ハマスの活動は浸透している。ガザの戦後統治を決めるのはハマスと、すべてのパレスチナ各勢力だ」と強調し、ガザの支配に関与し続ける姿勢を明確にした。AFPがテレビ演説の内容を報じた。

イスラエルが軍事作戦を継続する中、ハマス壊滅は不可能だと主張する狙いもあるとみられる。また、戦闘休止に向けた交渉について、イスラエルがラファ検問所を制圧するなど攻撃を強化したことで、交渉の行方が不透明になったと語った。

イスラエルは戦後処理にハマスを参画させることを拒否している。AFPによると、ネタニヤフ首相は15日、「ガザにわれわれの脅威となるものがない状態を実現するために、ハマスのせん滅は欠かせない」と述べた。

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