パレスチナ自治区ガザの中部マガジ難民キャンプで、学校に避難する人々(6日)=ゲッティ共同

【エルサレム=共同】昨年10月からパレスチナ自治区ガザで続くイスラエル軍とイスラム組織ハマスによる戦闘の休止を協議するため、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は6日夜、エジプトの首都カイロを訪問した。

ロイター通信が伝えた。ハマスは代表団を7日に送ると表明し、イスラエルメディアによると、同国政府も7日に代表団派遣を決めた。間接交渉が再開する見通しだ。

戦闘は7日で半年。軍報道官は同日、ガザ南部から部隊が撤収し、ガザに残るのは1部隊になったと表明した。詳細は不明だが、部隊を再編成し将来の戦闘に備える狙いとみられる。

軍高官は英BBC放送に「戦闘は終わっていない。さらに作戦が必要だ」と述べた。

カービー米大統領補佐官は7日、米テレビのインタビューで「休養と再編成のためだ。彼らは疲弊し、再編成が必要と聞いている」と述べた。

ガザ側の死者が3万3千人を超え人道危機が著しく悪化する中、バイデン米大統領は支援再開のため「即時停戦」を求め、イスラエルとハマスへの圧力を強めた。平行線をたどってきた交渉が進展するかが焦点だ。

交渉にはイスラエルの対外特務機関モサドのバルネア長官が派遣される見通し。仲介役のカタールのムハンマド首相兼外相とエジプト総合情報庁のカメル長官も参加。

これまでの交渉では6週間の戦闘休止期間を設け、ハマスが人質40人を解放し、イスラエルが拘束するパレスチナ人約700人を釈放する案が協議されている。

ただハマスが恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤収を求める一方、イスラエルは応じない構えで、ガザ最南部ラファに地上侵攻する姿勢を崩していない。

イスラエルでは6日夜、人質解放に向けたハマスとの合意実現や、ネタニヤフ首相の退陣を求める大規模なデモが各地で行われた。エルサレムでは数百人が中心部に集まり「このままでは手遅れになる」などと訴えた。

軍は7日、南部ハンユニスでの戦闘で兵士4人が死亡したと発表した。ガザ保健当局は7日、戦闘開始以降のガザ側の死者が3万3175人になったと発表した。

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