ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ロシア軍が北東部ハルキウ州で進める新たな地上作戦について、「最も深いところで(国境からウクライナ側に)10キロまで前進している」と報道陣に語った。複数のウクライナメディアが伝えた。

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 ゼレンスキー氏によると、ロシア軍の狙いは、全面侵攻前に約1万7千人が暮らしていた同州ボウチャンスクを制圧することだという。ただ、ロシア軍は防衛線には到達していないといい、ゼレンスキー氏は「状況は安定している」と強調した。

 ウクライナ軍のシルスキー司令官のSNS投稿によると、ボウチャンスクとともに、4千人近くが住んでいた国境沿いのリプツィも占領に向けた標的になっている。ロシア軍は国境沿いの計70キロにわたって戦闘態勢を取っており、「我々に予備部隊を投入させようとしている」とした。

 シルスキー氏はまた、「ロシア軍は我々の防衛線を突破することに失敗した」と主張。一方で、「これから激しい戦いがあり、敵はそれに備えていると考えている」とも述べた。ハルキウ州の隣に位置し、今後ロシア軍による新たな攻撃の可能性が指摘されるスーミ州の防衛部隊を訪問し、状況を確認したとしている。(キーウ=藤原学思)

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