韓国の文在寅前大統領(ロイター=共同)

 【ソウル共同】韓国の文在寅前大統領は18日に出版された回顧録で、日本政府が植民地期の元徴用工動員の強制性や不法性を否定する態度を示しているとして「反文明的だ」と非難した。徴用工を「旧朝鮮半島出身の労働者」と言うようになったことなどを指すとみられる。文氏は歴史問題は「過去を直視して傷を癒やし、許し、和解するという根本的解決」が必要だと訴えた。  外交分野を中心に回顧し、仲介者として米朝の史上初の首脳会談を2018年に実現させたことなどを振り返った。北朝鮮情勢が緊張していた17年の日米韓首脳会談では、当時の安倍晋三首相が、在韓邦人を日本へ撤収させる訓練を提案したという。文氏は「戦争が起きそうだという危機感を高める。緊張を管理しなければいけない韓国の立場への配慮が全くなかった」と指摘した。  文氏によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は18年の南北首脳会談で「経済発展が最も重要な課題だが、制裁のため難しい」と語った。非核化措置に対応する制裁緩和は求めたが、全面解除の要求ではなかったという。


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