イランでは19日、北西部の東アゼルバイジャン州でヘリコプターが墜落し、ライシ大統領やアブドラヒアン外相など搭乗していた8人全員が死亡しました。

事故を受けて21日、各地で葬儀が行われ、このうちイランの国教であるイスラム教シーア派の聖地として知られる中部のコムでは中心部の通りが訪れた人で埋め尽くされ、犠牲者のひつぎを囲んで追悼しました。

さらに22日は、首都テヘランでも大規模な葬儀が行われる予定で、地元メディアは隣国のイラクやトルコなどから政府要人が参列すると伝えているほか、ともに欧米と対立し、イランと協力関係を深めているロシア政府はプーチン大統領の側近、ボロジン下院議長が率いる代表団が参列すると発表しています。

一方、イランの地元メディア「イラン学生通信」は20日、検事総長が今回の事故を利用してインターネット上でうそや侮辱を広める行為を取り締まるよう検察官らに命じたと伝えました。

ライシ大統領は任期中、政権に対する抗議デモに対し、厳しく取り締まる姿勢で臨み、国内外から人権を抑圧していると批判する声もあがっていました。

今回の事故をきっかけに、SNSではライシ大統領を悼む声だけでなく、批判的なコメントも投稿されていて、イラン政府としてはライシ政権への批判が広がらないよう神経をとがらせています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。