【バンコク=藤川大樹】ミャンマーの人権団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー(JFM)」は22日、国軍傘下だった武装組織がオンライン賭博や詐欺、人身売買などの国際犯罪に関与しているとして、各国政府に同組織幹部や関連企業などに制裁を科すよう求める報告書を公表した。  犯罪が指摘されたのは、タイと国境を接するミャンマー東部カイン州で活動する国境警備隊(BGF)。チットゥー大佐が率い、3月に国軍指揮下を離れてカレン民族軍(KNA)に改称した。電力や鉱業などの関連企業を持ち、チットゥー氏や家族、一部幹部らが経営に関わっている。

◆電力や高速ネットを犯罪組織に提供か

 カイン州ミャワディ郡区のモエイ川沿いには、亜太新都市(シュエコッコ)やKK園区などの犯罪地区が点在する。BGFは、そうした地域で不動産の開発や賃貸、税金の徴収、電力や通信速度の速いインターネットの提供、警備などを通じて犯罪組織から利益を得ているという。

4月中旬、タイ側から望むミャンマー東部カイン州のシュエコッコ地区=藤川大樹撮影

 BGFを巡っては、英政府が昨年12月、チットゥー氏らに制裁を科している。  中国国境のミャンマー北東部シャン州では昨年9月以降、オンライン詐欺の取り締まりが強化され、一部の犯罪組織がカイン州へ拠点を移した。犯罪地区では、人身売買の被害者らが強制的に詐欺に加担させられ、暴行を受けている。 

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