【エルサレム=共同】イスラエルのネタニヤフ首相は22日の声明で、スペイン、アイルランド、ノルウェーの欧州3カ国によるパレスチナ国家承認の表明は「テロに対する報奨だ」と非難し、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラム組織ハマスの壊滅を目指す姿勢を改めて強調した。ノルウェーのアイデ外相は、国家承認で「2国家共存」実現への機運を高める狙いがあると説明した。
対パレスチナ強硬派の極右政党と連立を組むネタニヤフ政権は、3カ国の駐イスラエル大使に抗議するなど猛反発。極右政党「ユダヤの力」党首のベングビール国家治安相は、エルサレムにあるイスラム教とユダヤ教双方の聖地「神殿の丘」(イスラム名ハラム・アッシャリーフ)を訪れ「聖地はイスラエルのものだ」と訴えた。今後、緊張が高まる可能性がある。
アイデ氏はイスラエル紙ハーレツに対し、パレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」について「イスラエル政府がパレスチナ側と交渉する意図がないことが明白だ」と指摘。国家承認で「穏健勢力が支持する2国家共存への期待を高めたい」と訴えた。
パレスチナ通信によると、自治政府のアッバス議長は22日、スペインのサンチェス首相と電話会談し「多くの欧州国家が後に続くことを期待する」と述べた。欧州連合(EU)加盟国のマルタとスロベニアも今後承認を表明する見通しだが、フランスとドイツは慎重な姿勢を示し、承認の動きが広がるかは不透明だ。
サリバン米大統領補佐官は22日の記者会見で「バイデン大統領はパレスチナ国家は一方的な承認ではなく、イスラエルとパレスチナの直接交渉で実現すべきだと信じている」と強調した。
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