写真撮影に応じる映画「アプレンティス(見習い)」の監督や主演者ら(20日、カンヌ)=ロイター

【カンヌ=共同】フランスで開催中の第77回カンヌ国際映画祭で、若い頃のトランプ前米大統領を描いた映画「アプレンティス(見習い)」がワールドプレミア(世界初上映)され、妻をレイプするシーンなどが含まれた赤裸々な内容が物議を醸している。11月に大統領選を控えたトランプ氏の陣営は「虚偽だ」と激怒、法的措置を取る構えだ。

映画は1970〜80年代の米ニューヨークで不動産開発業者として活躍したトランプ氏の原点が描かれる。題名はトランプ氏がかつて出演し、一躍有名になるきっかけとなったテレビ番組の名前から付けられた。監督はイラン系デンマーク人のアリ・アッバシ氏。イランで実際に起きた事件がベースの映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」などで知られる実力派だ。

映画では、トランプ氏が野心的で自己中心的な人物として描かれている。特に注目されたのは最初の妻イバナさん(2022年に死去)をレイプするシーンだ。欧米メディアによると、トランプ氏の陣営は「悪意のある中傷」と激しく反発している。

アッバシ氏はカンヌでの21日の記者会見で「必ずしもトランプ氏が嫌がる映画ではないと思う」と主張。トランプ氏の陣営の誰かが受け入れるのであれば、映画を実際に見てもらうために自身から出向くと語った。

映画はカンヌ映画祭で最高賞「パルムドール」を競うコンペティション部門に選ばれた作品の一つ。

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