【ワシントン=浅井俊典】アメリカ大統領選の共和党候補指名争いから撤退したヘイリー元国連大使(52)は22日、11月の本選でトランプ前大統領(77)に投票する考えを示した。トランプ氏を嫌う穏健派の受け皿となってきたヘイリー氏の態度表明は、撤退後初めて。トランプ氏の陣営にとっては、民主党のバイデン大統領(81)との再対決に向け、挙党態勢構築の弾みとなりそうだ。

2024年1月、米アイオワ州の党員集会で演説するヘイリー元国連大使=浅井俊典撮影

 首都ワシントンのシンクタンク、ハドソン研究所で演説したヘイリー氏は「同盟国を支え、国境を守り、資本主義と自由を支持する」候補を優先すると説明。「トランプ氏は完璧ではないが、バイデン氏は破滅的だ」と述べた。  その上でトランプ氏に対し、「私に投票した多くの人々がそのままトランプ氏を支持してくれると決めつけることなく、手を差し伸べるのが賢明だ」と語り、党内の穏健派への配慮を求めた。  共和党候補の指名争いで最後までトランプ氏との一騎打ちを続けたヘイリー氏は、3月に撤退を表明。しかし、今月14日にあった東部メリーランド州の共和党予備選で投票総数の22%を獲得するなど、依然として党内の「反トランプ票」が集まる。これまではトランプ氏への明確な支持を表明しておらず、バイデン氏の陣営も党派を超えた協力を呼びかけていた。 

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