中国軍が23日から台湾の周辺で軍事演習を始めたことをめぐり、台湾の在日大使館に相当する台北駐日経済文化代表処の謝長廷(シエチャンティン)代表は24日、東京都内で記者会見を開き、演習実施について「横暴な行動にはまったく正当性がない」と強く非難した。

 謝氏は、演習は「台湾海峡の緊張をエスカレートさせるのみならず、アジア太平洋地域の繁栄と安定を破壊し、周辺国との緊張をもたらすもの」だと指摘。中国に対し、「台湾の人々により選出された合法政府」と「対等、尊厳の原則の下で平和的な対話を進め、台湾海峡と地域の安定を共に守っていく」ように呼びかけた。

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 台湾の現状について、謝氏は「すでに成熟した民主国家となり、民主主義と自由の体制を守る灯台」であると同時に、「国際社会の大切な民主主義のパートナー」でもあると述べた。もし台湾が倒れたら「世界の民主主義の重大な敗北となり、世界の平和と安定が大きく損なわれることになる」と、国際社会の協力を求めた。

 また、謝氏は、頼清徳(ライチントー)新総統の就任演説については、「(中台)両岸政策について現状維持の継続を明確に表明」したものだとし、「対立ではなく対話」を呼びかけたにもかかわらず、中国が「台湾独立への懲罰」を口実に軍事演習で恫喝(どうかつ)したとした。(山根祐作)

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