“戦闘休止交渉が再開の見通し”報道も先行き不透明
イスラエル軍は26日も、ガザ地区各地で軍事作戦を続けています。
このうち、ICJ=国際司法裁判所がイスラエルに対して攻撃をただちに停止するよう暫定的な措置を命じた南部ラファでは、「イスラエル軍に攻撃を試みた戦闘員を殺害した。この地域を捜索した結果、大量の銃器などが見つかった」として、攻撃の正当性を主張しています。
ガザ地区の保健当局は26日、イスラエル軍の攻撃で過去24時間で81人が死亡し、これまでの死者数は3万5984人にのぼっていると発表しました。
一方、行き詰まっている戦闘の休止や人質の解放をめぐる交渉について、アメリカのCNNテレビはエジプト当局者の話として、首都カイロで28日に再開される見通しだと伝えました。
こうしたなか、ハマスは26日、テルアビブに向けてロケット弾による攻撃を仕掛けたと発表しました。
イスラエルのメディアによりますと、テルアビブへの攻撃は4か月ぶりで、シェルターへ向かう際に女性2人が転倒して軽いけがをしたということです。
交渉をめぐっては、双方の立場の隔たりは依然として大きく、先行きは依然として不透明です。
ハンユニスの病院で燃料不足 命の危険も
ガザ地区の病院では検問所の閉鎖や人道支援物資の搬入が滞っている影響で、発電用の燃料が不足していて、このまま医療機器が動かせなくなれば患者の命が危険だと訴えています。
NHKガザ事務所を含む現地メディアの取材に応じたのは、南部ハンユニスのナセル病院です。
ナセル病院では今月に入ってから医療機器を動かすための発電機に使用する燃料が手に入らなくなっていて、25日は備蓄用のタンクに残されたわずかな燃料をバケツで取り出して発電機を動かしていました。
また、新生児集中治療室では12人の新生児に治療を行っていますが、発電機が動かせなくなれば保育器が使用できず、死亡する可能性があると訴えていました。
ナセル病院のアーテフ・フート院長は「ナセル病院ではこのままでは燃料不足からすべての発電機が停止してしまう。すぐに燃料が搬入されなければ患者や新生児が死んでしまうだろう」と話していました。
ナセル病院にはことし2月、イスラエル軍がイスラム組織ハマスの戦闘員が活動しているなどと主張して突入していて、ガザ地区の保健当局はその際も停電により酸素の供給ができなくなって少なくとも8人の患者が死亡したとしています。
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