北方四島の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)の通常総会が27日、札幌市内で開催された。「北方四島の早期一括返還の実現」を求めることや、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で再開のめどの立たない北方四島訪問事業のうち、北方墓参について早期再開を目指すことを含む決議が採択された。また、今年度も北方四島に近接する日本側水域での「洋上慰霊」の実施を進めていく方針も確認された。

 松本侑三理事長は、ロシア政府による北方四島とのビザなし交流の停止表明や、ロシア検察庁が昨年4月に千島連盟を「好ましくない組織」に指定したことに触れ、「これまで積み上げてきた日ロ間の交渉、歴史に照らし合わせて極めて理不尽、一方的なものであり、断じて受け入れることができない」と強調。北方墓参については、旧ソ連時代に人道上の配慮から合意された経緯に触れた上で、再開に向けた働きかけを強化するとした。

 通常総会には、正会員2479人のうち、91人が出席したほか、1123人が委任状や議決権行使書を提出した。(松尾一郎)

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