【ソウル=木下大資】韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」の沈揆先(シムギュソン)理事長は27日、元徴用工訴訟で勝訴した原告らへの賠償相当額を支給する財源が、現状で少なくとも120億ウォン(約13億7000万円)不足していると明らかにした。財団は韓国の裁判で敗訴が確定した日本企業の賠償金を肩代わりする「第三者弁済」を行っている。

◆当事者の9割が「肩代わり弁済」を希望

韓国最高裁で、勝訴を喜ぶ元徴用工の遺族ら=2023年12月28日

 沈氏によると、財団は2018年に勝訴が確定した11人への第三者弁済を行い、受け取りを拒否する4人分を裁判所に供託。韓国鉄鋼大手ポスコから寄付を受けた約41億ウォンのうち38億ウォンを費やした。  昨年末から今年1月に同様の訴訟9件で計52人の勝訴が新たに確定しており、残りの約3億ウォンでは足りない状況だ。当事者の9割ほどが韓国政府の示した第三者弁済方式を受け入れ、支給を望んでいるという。  韓国政府や財団は日本企業の寄付も期待するが、日本側は応じていない。沈氏は「日本には日本なりの事情があるとはいえ、日本企業が参加してこそ第三者弁済が韓国国民の支持を得ることができる」と訴えている。 

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