【ソウル=木下大資】韓国軍合同参謀本部は30日、北朝鮮が同日午前6時14分ごろ、平壌(ピョンヤン)郊外の順安(スナン)付近から十数発の短距離弾道ミサイルを日本海へ発射し、約350キロ飛行したと発表した。日本の防衛省によると最高高度は100キロ程度で、排他的経済水域(EEZ)の外側に落下した。

◆「対ロシア輸出のために技術を誇示した可能性」

 岸田文雄首相は官邸で記者団に「関連する国連安全保障理事会決議に違反するものだ。既に抗議した」と批判。日米韓3カ国の北朝鮮担当高官は電話協議し、発射を強く非難した。  聯合ニュースは飛行距離などから、北朝鮮が「超大型放射砲」と呼ぶKN25と推定した。国連安保理決議が禁じた北朝鮮による弾道ミサイル技術を用いた発射は、今月17日の短距離弾道ミサイル、27日の軍事偵察衛星打ち上げ失敗に続いて今年7例目。  韓国国防省の30日の会見で、軍関係者は「ロシアへの輸出のために技術を誇示した可能性もある」との見方を示した。  また韓国軍は、30日午前に北朝鮮が韓国北西部の島一帯に衛星利用測位システム(GPS)を妨害する電波を発したと発表した。29日朝にも同様の電波妨害があった。  北朝鮮は28日夜に汚物をぶら下げた風船を大量に飛ばすなど、さまざまな手段で韓国側のかく乱を試みている。 

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