香港高等法院(高裁)は30日、立法会(議会)の元議員ら民主派47人が政権転覆を図ったとして香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた裁判で、無罪を主張した16人のうち14人に有罪判決を言い渡した。2人は無罪とした。

 有罪を認めた31人も含めて、量刑は別に言い渡される。国安法の国家政権転覆罪の最高刑は終身刑。

 元議員らは、2020年に予定されていた立法会選で候補者を絞り込むための予備選をめぐり起訴された。過半数の議席を押さえ、政府予算案を否決し、行政長官の辞任を迫ろうとしたのは、政府機能を停止させるのが目的で国家政権転覆の罪に当たるとされた。16人が無罪を主張し、有罪かどうかを決める裁判が行われていた。

 高裁は判決で、検察側の主張を認めた上で、計画が行われていたら、「政府と行政長官の権力と権威は大きく損なわれる。香港に憲法上の危機をもたらす」と結論づけた。実際には新型コロナを理由に立法会選は延期され、1年後に民主派を事実上排除する形で行われた。(小早川遥平)

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