ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=稲場三奈】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落して始まり、午前9時35分現在は前日比275ドル07セント安の3万8166ドル47セントで推移している。29日夕発表の四半期決算と見通しで業績が市場予想を下回ったセールスフォースが大きく下げ、ダウ平均の重荷となっている。下げ幅は300ドルを超える場面がある。

セールスフォースは一時20%安となった。29日夕発表の2024年2〜4月期決算では売上高が市場予想に届かなかった。5〜7月期の売上高と特別項目を除く1株利益見通しは上限でも市場予想以下となり、嫌気した売りが膨らんでいる。

30日朝発表の24年1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率で1.3%増と前回速報値(1.6%増)から下方修正された。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想は1.2%増だった。同時に発表した1〜3月期の米個人消費支出(PCE)物価指数は食品とエネルギーを除くコア指数の伸びが前期比年率で3.6%と、速報値(3.7%)を下回った。

GDP改定値がインフレの沈静化を示す一方で、経済成長の減速感を改めて意識させるような内容だった。市場では「もろ刃の剣のようなデータだ」(インディペンデント・アドバイザー・アライアンスのクリス・ザッカレリ氏)との受け止めがあった。このところ米連邦準備理事会(FRB)が利下げに慎重になっているとの見方が広がっており、31日発表の4月のPCE物価指数を見極めたい雰囲気がある。

その他の個別銘柄では、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムが安い。ユナイテッドヘルス・グループとゴールドマン・サックスも売られている。半面、ホーム・デポやキャタピラー、ボーイングには買いが入っている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して始まった。

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