30日、米ニューヨーク州地裁で有罪の評決を受け、コメントするトランプ前大統領=ニューヨーク(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】余裕の笑顔が一変し、表情が消え落ちた。トランプ前米大統領の不倫口止め疑惑に絡む事件で、ニューヨーク州地裁の陪審が有罪評決を下したのは、30日の評議2日目の終了間際だった。全34件の罪状で1件ずつ「ギルティ(有罪)」と繰り返す陪審長の声にトランプ氏はぶぜんとしたまま、耳を傾けた。  「陪審員を解放したいと思う」。30日夕、州地裁のメルシャン判事が2日目の評議を打ち切り、翌日も継続する意向を検察と弁護側に伝えた。陪審員の間で意見が割れているのではないかとの観測が出た。自身に有利な展開と見たのか、トランプ氏は隣の弁護人にささやき、笑みを浮かべた。  だがメルシャン氏が陪審と接触し、15分ほどで判事席に戻ると一転して「評決に至った」と明らかにした。法廷内にかすかにざわめきが広がり、トランプ氏は正面を見据え、無表情になった。陪審長の評決発表に続き、地裁職員が各陪審員に同意を確認すると、トランプ氏は陪審員席を向いて首を伸ばし、一人一人を見つめた。


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