【ワシントン=浅井俊典】不倫の口止め料を不正に会計処理した事件で有罪評決を受けたアメリカのトランプ前大統領は31日、「公平な裁判ではなかった」と述べ、控訴する方針を明らかにした。11月の大統領選を控える共和党のトランプ氏は、有罪評決を民主党の政治的な思惑によるものだと主張することで、支持者らの結束を促す構えとみられる。

ドナルド・トランプ氏(2020年1月、米中西部オハイオ州で)

 ニューヨークで演説したトランプ氏は、裁判で問われた違法行為はなかったと強調。「このペテンについて控訴する」と述べた。自らをバイデン政権から政治的迫害を受けた犠牲者とする主張を再び展開した上で、今回の裁判の判事を批判し「悪魔のような男にはりつけにされた」と述べた。  トランプ氏の陣営は、有罪評決から24時間で5280万ドル(約82億円)の寄付が集まったと発表した。陣営によると、3分の1はトランプ氏に初めて寄付をした人たちだという。  民主党のバイデン大統領は31日、ホワイトハウスで演説し、トランプ氏の有罪評決について「法の上に立つ者はいないという米国の原則が再確認された。評決が気に入らないからといって、不正な裁判だと言うのは無謀、危険で無責任だ」とトランプ氏を非難した。  ニューヨーク州地裁の陪審は30日、業務記録を改ざんした罪でトランプ氏に有罪の評決を下した。量刑は7月11日に言い渡される。 

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