「反スパイ法」に反対のデモを繰り広げる市民ら(5月28日、トビリシ)=AP

【モスクワ=共同】旧ソ連ジョージア(グルジア)のパプアシビリ議会議長は3日、外国から一定以上の資金提供を受ける団体やマスメディアを事実上のスパイと見なす法律に署名したと明らかにした。これにより、野党側が成立に強く反対してきた同法が発効した。タス通信が伝えた。

「外国の影響力透明化に関する法律」と名付けられた同法には親欧米のズラビシビリ大統領が拒否権を行使して署名を拒んだほか、民主主義が後退するとして欧米諸国が懸念を示していた。対欧米関係が冷却化し、ジョージアが目指す欧州連合(EU)加盟に影響を与える可能性が高い。

法案は、ロシアとの正常な関係維持を唱える政権与党「ジョージアの夢」が提出。予算の20%以上を外国の資金に頼る非政府組織(NGO)やメディアを法務省に登録させ、資金提供を受けた組織や収支などを申告させる。

野党側は、政権に批判的な団体などをスパイとほぼ同義の「外国のエージェント(代理人)」に指定するロシアの法律と同じだとして首都トビリシ中心部で街頭デモを繰り返してきた。

法案は先月14日に議会で可決されたがズラビシビリ氏が署名を拒否。与党側は同28日に法案を再可決して拒否権を覆した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。