ウクライナ東部ハリコフ州でロシア軍は攻勢を強めている=ロイター

【イスタンブール=渡辺夏奈】ウクライナ軍が、米国が提供した兵器でロシア領を攻撃した。ウクライナ当局者の話として、米紙ニューヨーク・タイムズが4日報じた。バイデン政権が5月末に米国製兵器によるロシア領攻撃を容認して以降、ウクライナが攻撃に使用したと認めたのは初めて。

ウクライナ最高会議(議会)の安全保障委員会で副委員長を務めるチェルニエフ議員がニューヨーク・タイムズに明らかにした。

ウクライナ軍は、米国が供与した高機動ロケット砲システム「ハイマース」を使い、ロシア西部ベルゴロド州の地対空ミサイルシステム「S300」や「S400」を破壊したという。

同システムは隣接するウクライナ東部ハリコフの攻撃に使われていた。

米国はこれまで自国製の兵器を使ったウクライナによるロシア領の攻撃に慎重だった。ロシアとの対立が深刻になりかねないためだ。

足元ではハリコフ州を中心にロシア軍が攻勢を強めており、バイデン政権は条件を付けたうえで米国が供与した兵器の使用容認に転じていた。

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