【NQNニューヨーク=稲場三奈】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比78ドル84セント高の3万8886ドル17セント(速報値)で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が根強く、投資家心理を支えた。半面、前日にハイテクや半導体株を中心に上昇した後で、利益確定の売りが重荷となった。

朝発表の週間の新規失業保険申請件数は22万9000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万件)を上回った。労働市場の過熱感が薄れていることを示す指標の発表が相次ぎ、FRBが9月に利下げ転換するとの観測が広がっている。市場では、「(あす発表の)5月の米雇用統計発表への期待が高い」(インディペンデント・アドバイザー・アライアンスのクリス・ザッカレリ氏)との指摘があった。

ダウ平均は小幅に下落する場面があった。前日にハイテク比率の高いナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は過去最高値を更新した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日に最高値を付けたエヌビディアには目先の利益を確定する売りが出た。ダウ平均の構成銘柄ではアップルが下落した。

その他の個別では、ナイキやビザが上昇。メルクやトラベラーズといったディフェンシブ株の一部にも買いが入った。アクティビスト(物言う株主)が株式を追加取得したことが明らかとなったセールスフォースも高かった。半面、インテルやキャタピラーなどは売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比14.784ポイント安の1万7173.121(速報値)で終えた。

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