7日、北京市中心部で、厳重な警備が敷かれた試験会場に入る受験生たち。1人ずつ金属探知機をくぐった=河北彬光撮影

【北京=河北彬光】中国の大学統一入試「高考(ガオカオ)」が7日、始まった。出願者数は昨年より51万人増え、過去最多の1342万人。不正が巧妙化しているとして、政府は科学技術を駆使した対策を導入し厳戒態勢を敷いている。  6万7000人が出願した北京市。試験会場の高校には保護者を伴った受験生が大勢集まった。持ち込み禁止のスマートフォンなどの電子機器がないかを確認するため、1人ずつ空港さながらの厳重な手荷物と身体検査を受けて会場に入った。  近年は不正に持ち込んだスマホ、小型カメラや通信機能付きのメガネ、イヤホンを使い、会場内外の複数人で組織的にカンニングに及ぶケースが相次ぐ。このため政府は今年の高考に先立ち、教育部門に不正対策を徹底するよう指示した。

7日、北京市中心部で、厳重な警備が敷かれた試験会場に入る受験生たち。このあと金属探知機をくぐった=河北彬光撮影

 試験会場では顔認証のほか、一部で指紋や瞳の虹彩認証も実施。試験中はカメラで受験生を撮影し、人工知能(AI)で怪しい挙動を検知する。関係者によると、北京市の会場は昨年まで電波の遮断機器を備えていたが、これをかいくぐって通信できる装置を持ち込んだ受験生がいたため、今年から新たに高性能な金属探知機を設けた。  最高裁にあたる最高人民法院は5日、過去9年に1万1000人超が試験不正で有罪判決を受けたとして注意を促した。娘が高考に臨んだ北京市の男性(56)は「努力せず不正に得するのは許せない。厳格な検査はやって当然だと思う」と話す。 

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