米ニューヨーク証券取引所=ロイター

【NQNニューヨーク=稲場三奈】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反発して始まり、午前9時35分現在は前日比206ドル20セント高の3万7941ドル31セントで推移している。市場予想を上回る四半期決算を発表した銘柄に買いが入り、相場を支えている。半面、米長期金利の上昇が続いており、株式相場の重荷となっている。

ダウ平均では、ユナイテッドヘルス・グループが大幅に上昇している。朝発表の2024年1〜3月期決算で売上高が市場予想を上回った。24年12月期通期の特別項目を除く1株利益見通しを据え置き、買い安心感が広がり一時8%高となっている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、金融のモルガン・スタンレーも高い。朝発表の四半期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが入っている。

ダウ平均は今月に入って前日までに2000ドルあまり下げた後で、主力株の一部には押し目買いが入りやすい。一方、米経済が底堅く、インフレの沈静化に時間がかかっていることから、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期を巡る不透明感が高まっている。ジェファーソンFRB副議長は16日朝の講演で、「今後のデータが予想以上にインフレのしつこさを示せば、現在の制限的な政策金利をより長く維持するのが適切になる」と語った。

16日朝の米債券市場では長期金利が前日終値(4.60%)を上回って推移している。一時は4.69%と昨年11月以来の高水準となった。金利の上昇で、株式の相対的な割高感を意識した売りにつながりやすい。

その他のダウ平均の構成銘柄では、ビザやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ウォルマートなどが高い。一方、ダウやナイキ、キャタピラーは安い。朝に四半期決算を発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で推移している。

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