年間800万人が訪れるとされるフランスの観光名所、パリ郊外のベルサイユ宮殿で11日、屋根から煙が上がり、観光客が一時避難する騒ぎがあった。けが人や収蔵品の被害などはなかった。

 火災騒ぎがあったのは同日午後3時(日本時間同10時)過ぎ。AFP通信によると、改修作業が続いていた屋根の一部分から突然煙が立ち上った。火事は到着した消防士らがバケツの水をかけて消し止めたという。AP通信によると、宮殿の広報部門は煙は木材から上がったとしている。原因は調査中で、観光客は午後4時半ごろ、宮殿内に戻った。

 ベルサイユ宮殿は、フランスのルイ14世時代の17世紀に建てられたバロック建築で、18世紀末までの同国の絶対王政を象徴する建物。パリの南西22キロにあり、第1次世界大戦の講和条約も1919年にここで結ばれた。7月開幕のパリ五輪でも、馬術などの会場になっている。

 パリでは、2019年4月、中心部を流れるセーヌ川のシテ島に立つノートルダム大聖堂で火災が起き、尖塔(せんとう)や屋根が焼け落ちた。(喜田尚)

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