【NQNニューヨーク=矢内純一】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前週末比188ドル94セント高の3万8778ドル10セント(速報値)で終えた。ハイテク株や消費関連株に買いが入り、ダウ平均を下支えした。半面、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期を巡る不透明感が重荷となり、ダウ平均は下落する場面があった。

17日朝発表の6月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス6.0と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス10.5)を上回った。米経済の底堅さを保っていることは景気敏感株や消費関連株の支えとなった。政治情勢の不透明感から下げが続いてたフランスの株式相場が反発したことも投資家心理の支えになったとの見方があった。

人工知能(AI)に対する需要の高まりが米企業の業績を押し上げるとの見方が根強く、ハイテク関連を中心に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、マイクロン・テクノロジーやブロードコムといった半導体関連銘柄の上昇が目立ち、投資家心理を支えた。

取引開始直後に、ダウ平均は150ドルあまり下げる場面があった。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は16日の米CBSテレビで年内の利下げが12月の1回となる考えについて「妥当だ」との見方を示した。FRB高官が早期の利下げに慎重な見方を改めて示し、株式の売りにつながった。

ダウ平均の構成銘柄ではアップルとマイクロソフトが上昇。ナイキやアメリカン・エキスプレス、ハネウェル・インターナショナルも買われた。半面、ユナイテッド・ヘルスグループとメルクが下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸した。前週末比168.138ポイント高の1万7857.020(速報値)と連日で最高値を付けた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は2営業日ぶりに最高値を更新した。

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