【クアラルンプール=共同】中国とマレーシアの両政府は20日、李強(リー・チャン)首相とアンワル首相の19日の会談を受け、両国が領有権を争う南シナ海問題を巡り「できるだけ早く海洋管理を巡る2国間対話を開始し、対話と協力を促進する」と共同声明に盛り込んだ。
軍事的圧力を増す中国はフィリピンと南シナ海で対立を深めている。単独では交渉力が弱い東南アジア諸国連合(ASEAN)は長く団結を重視してきたが、2国間交渉を好む中国側の切り崩し策が奏功した形だ。
李氏の訪問では、中国側は多数の経済協力を約束。来年のASEAN議長国マレーシアへの影響力を確保する狙いもあるとみられる。
共同声明では南シナ海での衝突回避に向けた「行動規範」の策定に関し、両国が協力することでも一致した。
声明では両国関係が「(新興国)グローバルサウスの団結と協力を強化する」と強調。マレーシアは「一つの中国」原則を堅持し「台湾独立のいかなる試みも支持しない」とした。環太平洋連携協定(TPP)へ中国の加盟希望を歓迎した。
米国が中国へ輸出規制を敷く半導体を巡り、サプライチェーン(供給網)の安定のため協力を深めると合意した。
アンワル氏は20日、両国のビジネス関係者の会合で中国を「真の友人」と称賛。中国の台頭を恐れる必要はないとして「われわれは中立で、中国を含め全ての国と協力する」と話した。
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