【ワシントン=芦塚智子】米連邦最高裁は21日、ドメスティックバイオレンス(DV)で接近禁止命令を受けた加害者が銃を保有することを禁じた連邦法は合憲との判断を下した。保守に傾斜した最高裁は銃規制に否定的な判決を相次いで出していたが、一定の規制は認める姿勢を示した。
判決文は、個人が他人の安全に脅威を与えると裁判所が判断した場合、一時的に銃を取り上げることは武器保有の権利を認めた憲法修正第2条に矛盾しないとした。銃保有の権利は基本的な権利の一つだが、無制限ではないと指摘した。
判断にはリベラル派の判事3人と保守派判事5人が賛成し、保守派のトーマス判事だけが反対した。
バイデン大統領は声明を発表し「今日の判決により、ドメスティックバイオレンスの被害者やその家族は不可欠な保護を頼りにすることができる」と歓迎した。
訴えは、交際相手の女性を殴り、女性や周囲の人に向かって銃を発射して接近禁止命令を受けた男性が起こした。命令を受けた後も銃を違法に保有していたとして有罪判決を受けた。憲法に基づく銃保有の権利があると主張していた。
銃規制を巡っては、最高裁は14日に銃の連射を可能にする「バンプ・ストック」と呼ぶ装置の規制を認めない判断を下した。2022年にも、自宅外での銃携帯に免許の取得を義務付けた東部ニューヨーク州の銃規制法を違憲とする判断を下している。
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