イスラエルのネタニヤフ首相=AP

【エルサレム=共同】イスラエルのネタニヤフ首相は23日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスに対する「激しい戦闘の局面は間もなく終了する」と述べた。「その後、部隊をイスラエル北部に展開する」と指摘し、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの本格戦闘に備えて部隊を再編する考えを示した。

ハマス掃討作戦は継続する方針。地元民放「チャンネル14」のインタビューに答えた。

イスラエル軍が「ハマス最後のとりで」と位置付けるガザ最南部ラファの地上作戦が大詰めを迎えているもようだ。ネタニヤフ氏は、ガザ戦闘の規模を縮小しながら対ヒズボラ戦線に戦力を振り向ける意向とみられる。

今回の戦闘は昨年10月、ハマスのイスラエル奇襲で始まった。ヒズボラはハマスに連帯し、レバノン国境地帯でイスラエル軍と交戦してきた。

ネタニヤフ氏は「ハマスとの戦闘が終わるわけではない」と強調し「ハマス拘束下の人質解放とハマスの軍事力、統治能力の壊滅が目標だ」と従来の主張を繰り返した。

戦後のガザ統治を巡っては、短期的にはイスラエルが軍事占領すると説明する一方、最終的に「穏健な中東諸国の管理下で文民の統治機構を設立したい」と述べた。ガザ再占領に反対する米国に配慮したとみられる。連立政権を組む極右政党が主張するガザ再入植には否定的な考えを示した。

軍とヒズボラは23日も交戦した。地元紙ハーレツによると、イスラエル北部でヒズボラの対戦車ミサイルにより2人が負傷、軍はレバノン側のヒズボラ拠点を空爆した。

軍は23日もガザ攻撃を続け、パレスチナ通信によると、北部ガザ市にある国連の施設に空爆があり、市民8人が死亡した。ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側の死者は3万7598人。

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