ガザ地区で行方不明の子ども 約2万1000人か
イスラエル軍は24日もパレスチナのガザ地区での攻撃を続け、ガザ地区の保健当局は過去24時間に28人が死亡し、これまでの死者は3万7626人に上っているとしています。イスラエルとハマスの間では停戦と人質解放に向けた交渉が続いていますが、ネタニヤフ首相は23日、地元テレビ局のインタビューで「一部の人質が解放される一時的な停戦合意には応じる用意があるが、ハマスの壊滅という目標のため戦争を継続する決意だ」と述べ、ハマスが要求する恒久的な停戦には応じない姿勢を改めて強調しました。アメリカが5月、イスラエル側のものとして明らかにした提案では、第1段階として6週間停戦し一部の人質を解放するのに続き、第2段階では恒久的な停戦を実現し残りの人質を解放するとされていて、地元メディアは24日、ネタニヤフ首相の「一時的な停戦合意には応じる」という発言はこの提案と矛盾していると伝えています。
イスラエルではこの発言が波紋を広げていて「合意の実現を妨げる可能性がある」という交渉関係者の見方が報じられているほか、ハマスに捕らえられている人質の家族らが「首相にはすべての人質を取り戻す義務がある」とする声明を発表しています。一方、ハマスは声明を出し「停戦に向けた提案を拒否するものだ」と強く反発していて、交渉の先行きはいっそう不透明になっています。
国際的なNGO「セーブ・ザ・チルドレン」は24日、国連の報告書などをもとにした推計として、ガザ地区で行方が分からなくなっている子どもがおよそ2万1000人に上ると発表しました。このうち、少なくとも1万7000人の子どもたちが保護者と離ればなれになっているほか、およそ4000人ががれきの下に取り残されているとみられるということです。離ればなれになった子どもたちは、家族が常に避難を余儀なくされているため、再会を果たすことが難しくなっているとしています。このほか、集団墓地に埋葬されたり、イスラエル軍に連れ去られたりした子どももいますが、その数は把握できていないということです。
セーブ・ザ・チルドレンで人道支援の政策を担当するアレクサンドラ・サイエさんは、ロイター通信のインタビューに「家族や親族が全員亡くなっている場合も多く、子どもたちの身元を特定することがさらに困難になっている」と話しています。
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