イスラエル軍は4日もガザ地区各地で攻撃を続けていて、過去、一日に空爆で数十人のハマスの戦闘員を殺害したと主張しました。

南部ハンユニスで3日、NHKガザ事務所のサラーム・アブタホンカメラマンが撮影した映像では、国連が運営する避難所のすぐ近くにある5階建ての集合住宅が、イスラエル軍による攻撃を受け粉じんが立ちこめる中、避難所にいた人たちが逃げ惑う様子が映っています。

攻撃を受けた集合住宅は、7月1日にイスラエル軍が退避先として指定していたハンユニス西部にあり、地元メディアによりますと、この空爆で7人が、けがをしたということです。

ガザ地区の保健当局は3日、これまでの死者が3万7953人にのぼったとしていて、住民の犠牲が増え続けています。

こうした中、イスラエルとハマスの間の停戦と人質解放に向けた交渉について、イスラエル政府は3日、ハマスから仲介国を通じて新たな回答を受け取ったと明らかにしました。

アメリカのニュースサイト、アクシオスは、イスラエル当局者の話として、新たな回答は建設的なもので、進展があったとする一方で、仮に交渉に入ったとしても、合意までは数週間かかるとする見方を伝えています。

交渉をめぐっては、完全な停戦を求めるハマスと、それを認めないイスラエルの立場の隔たりが埋まらずに停滞していて、ハマス側からの新たな回答で交渉の進展につながるかが焦点となっています。

国連人道問題担当者「ガザ地区の10人に9人が1度は避難」

ガザ地区の人道状況について、OCHA=国連人道問題調整事務所の担当者が3日にオンラインで記者会見し「去年10月以降、ガザ地区の10人に9人が、少なくとも1度は避難を余儀なくされているとみている」と述べました。

また、パレスチナ当局の統計で、ガザ地区の人口はおよそ230万人だったものの、去年10月にイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、3万7000人以上が死亡し、およそ11万人がガザ地区を脱出したなどとして、現在の地区の人口はおよそ210万人と推計されていることを明らかにしました。

OCHAでは、この210万人全員が人道支援物資を必要としているとみていますが、イスラエル軍が7月1日に出した退避通告の対象が地区全体のおよそ3分の1にあたることから、支援活動にも大きな影響が出るという見方を示しました。

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